コミュニティマネジメント: プロダクトの開発と展開をコミュニティが加速させる(馬田 隆明)- PdMカンファレンス2019 1日目
2019年11月12日〜13日に渋谷で行われたプロダクトマネージャーカンファレンス2019に参加しました。
以下は私が聞いたセッションを中心にしたレポートです。講演を聴きながらノートしたものがメインですので聞き違いや意図の読み違いがあるかも知れません。ご了承ください。
コミュニティマネジメント: プロダクトの開発と展開をコミュニティが加速させる(馬田 隆明)
東京大学 FoundX ディレクター
感想
前半を聞けなかったのがもったいないくらい濃く、学びのある時間でした。特に実践に移せる具体的な話が聞けて良かったです。
インターネットのコミュニティもそうですが、人が集まるコミュニティってかなり似ていると思います。他人から助けられたときもそうですが、他人を助けることからも人は喜びを感じられますから、そのような良い循環ができればコミュニティは良い方向に進められると思います。
良い人と良い文化、それを築き上げ維持するためのシステムを作るためにはすごい工夫がいりますね。コミュニティが出来上がれば目的のためにたくさんの人たちの助けを得ることができるのでやりがいがあると思います。社内とステークホルダーの説得が大事とおっしゃいましたので、もしコミュニティが必要だと思える時が来たらそこから頑張ってみたいと思います。
講演内容
コミュニティの目的
ほとんどのコミュニティは戦略と目的がない
ゴールは何ですか?
社内の説得、ビジネスとの統合も大事
コミュニティの構造のデザイン
- 人数コミュニティに最適なサイズはどの程度か(大きすぎるとコミュニケーションが活性化しない)
- 階層化MVPやスーパーユーザーのようなランクを設けるか
- メンバーの比率
- 多様性と同質性をどの程度の比率にするか
150人超えたときにどうするか問題
コミュニティSenseが減少するし情報過多になるので注意
ネットワーク化された複数のコミュニティ
メタコミュニティ
サブグループ化に向けたTips
- サブグループの方針
どのようなサブグループがOKで、どんなのがだめかを明示化する - サブグループ化支援
グループリーダーやコーディネーターを育成、支援する - 仕組みづくり
段階的にサブグループを作る仕組みやサンドボックスを提供する
体験とプロセスのデザイン
エンゲージメントを増やしてもらうための体験デザイン
オンボーディングの設計
- 価値
コミュニティから受け取る価値に早くたどり着くようにする - 愛着
共通の体験やストーリーで最初の愛着に早くたどり着くようにする - 貢献
コミュニティへの最初の貢献を早く行ってもらい、その成果を感じてもらう
貢献のデザイン
貢献の効果
- コミュニティの価値が生まれる
- コミュニティに貢献した人は愛着を持つ
貢献のトランザクション
Hookモデルー循環
- トリガー:通知、CMからの連絡
- 行動:メンバーの支援や援助、貢献、コミュニティ運営への貢献
- 報酬:メンバーからの感謝、自己承認
- 投資:イベントに参加する、さらに貢献する
貢献を促すTips
- 貢献項目の具体化(リスト化)
- 貢献しやすいパーソナライズや名前を指名したうえで貢献を求める
- 具体的かつシンプル(「OOな人に製品を紹介してほしい」という風に依頼すること)
- 貢献の例を見せる
- 明確役割を与える
- 貢献者同士のつながりを作る
- メンバーが貢献できる余白を残す
- フィードバックでモチベーションを上げる
- 報酬を与える(内発的動機を弱める場合があるので注意)
プロダクトマネージャーカンファレンス2019 1日目シリーズ
- ORDINARY PEOPLE, EXTRAORDINARY RESULTS(Marty Cagan)
- Special Session(Kaarel Kuddu)
- LINEにおけるお金とユーザーのジレンマ(二木 祥平)
- ピクシブのプロダクトマネージャー、自己組織化されたチーム、チームを支える組織(佐藤 里佳)
- “失敗事例で学ぶ” 失敗しないプロダクトマネジメント - PMの必須スキルと、自走する組織のつくりかた -(岡田 康豊)
- コミュニティマネジメント: プロダクトの開発と展開をコミュニティが加速させる(馬田 隆明)
- 企業が求めるプロダクトマネージャーとその人材戦略(対談)
- 発明、ドッグフーディング、プロダクトマネジメント(増井 俊之)
- Keynote Session(Harry D. Moseley)
- まとめ